皆さんこんにちは。本日は性感染症の中でも最もポピュラーな淋菌とクラミジアについてお話しします。
外来にも多くの患者様が「尿道から膿が出る」「おしっこするときに痛い」など「もしかして性病かも?」と来られる方が多くいます。
性病(性感染症)には様々な種類がありますが、ここでは特に罹患率の高い「クラミジア」と「淋菌(りんきん)」について、その違いを分かりやすく解説します。

クラミジアと淋菌、何が違うの?
クラミジアと淋菌は、どちらも性感染症の原因となる細菌ですが、それぞれ特徴が異なります。
一番の違いは発症までの時期と症状の強さです。

外来では
・いつごろから症状があるのか?症状の程度はどのくらいか?
・思い当たる節(性行為など)はいつごろか?
などをお聞きします。これは症状や発症時期から淋菌かクラミジアを想定するのに重要なことなのです。
ではどのような症状があるのか具体的に見てみましょう。
男性の場合
クラミジアに感染しても、症状がないことが多いです。
気づかずに放置していると、前立腺炎や精巣上体炎(精巣の上にある部分の炎症)などを引き起こすことがあります。
一方、淋菌は感染後すぐに排尿時の激しい痛みや、尿道から黄色い膿が出るなどの強い症状が現れるのが特徴です。
その強烈な症状から、比較的早く医療機関を受診する方が多いです。
最近では膿の少ない症状に乏しい淋菌も多く、少しでも膿が出るなど違和感があれば医療機関で検査してもらいましょう。
淋菌はまれにタオル感染も起こします。稀な症例ですが家族にタオルを経由して感染し、淋菌性結膜炎となった症例もありますので、タオルの使いまわしなども注意が必要です。
淋菌の20~30%でクラミジアを合併していることがあるため、結果の確認と必要に応じて治療が必要です。
クラミジア、淋菌ともに、オーラルセックスにより性器だけでなくのどに感染することもあります。無症状のことも多いですが、のどの違和感がある際にはうがい液の検査を行うこともあります。
女性の場合
クラミジア、淋菌ともに、感染しても無症状の場合が多いのが特徴です。
特に女性は症状が出にくい傾向があり、知らないうちに感染が進行してしまうことが少なくありません。
おりものの増加や不正出血など、ささいな変化でも気になることがあれば、早めの受診が大切です。放置すると子宮頸管炎や卵管炎、さらには不妊症の原因にもなり得ます。
クラミジア、淋菌ともに、オーラルセックスにより性器だけでなくのどに感染することもあります。無症状のことも多いですが、のどの違和感がある際にはうがい液の検査を行うこともあります。
近年マイコプラズマジェニタリウムによる尿道炎が増加しています。淋菌・クラミジアが陰性であって症状が続く場合はマイコプラズマジェニタリウムが原因菌な可能性があります。
検査と治療について

クラミジアと淋菌は、尿検査や綿棒での拭い液検査で簡単に調べることができます。
当院では淋菌クラミジアのPCR検査を行っており、外来受診より2~3日で結果が出ます。
クラミジアは抗菌薬の内服、淋菌は抗菌薬の点滴をすることで外来で治療が可能です。
正確な診断と適切な薬の処方が必要になりますので、自己判断で市販薬を使用したりせず、必ず医療機関を受診しましょう。
治療は必ずパートナーと一緒に行うことが重要です。片方だけが治療しても、再び感染し合う「ピンポン感染」を繰り返してしまうため、パートナーにも検査・治療を勧めるようにしてください。
よくある質問
Q市販薬で治療可能ですか?
日本の市販薬での治療はできません。医療機関を受診し適切な検査、投薬が必要です。
Q検査結果は当日に出ますか?
当院では2~3日程度かかります。
Qオンライン性病検査で陽性が出たのですが診てもらえますか?
もちろんです。検査結果を持参ください。結果や問診によっては再検査となる可能性もありますのでご相談ください。
Q家族やパートナーにばれずに検査・治療をしたいのですができますか?
自費検査であれば保険証やマイナンバーカードなしで診察・検査・治療まで行えます。
その旨を受診時にお伝えください。
クラミジアや淋菌など性病について相談したい、検査・治療したい方は岡山駅東口徒歩3分の泌尿器科の『おかやま腎泌尿器科クリニック』までお気軽にご相談下さい。
おかやま腎泌尿器科クリニック
院長 光井 洋介(泌尿器科専門医)