院長コラム

2025年 当院における性感染症の診断・治療の現状と傾向

皆さんこんにちは。


本日は2025年に当院で診断・治療を行った性感染症の実態について、集計結果をもとに傾向解析を行います。

2025年は開院から約5か月間という短い期間でしたが、206名(重複含む)の方が性感染症で受診されました。多くの患者様にご来院いただき、心より感謝申し上げます。


2026年も引き続き、地域の皆さまの健康を守るため診療に努めてまいります。


2025年に当院で診断された性感染症は以下の通りです(重複含む)。

  • クラミジア:90例
  • 淋菌:56例
  • マイコプラズマ・ジェニタリウム(MG):25例
  • トリコモナス:1例

これら尿道炎症状子宮頚管炎を呈する性感染症は計172症例を占め、当院でも頻度の高い受診理由となっていました。

一方、以下の感染症も一定数認められました。

  • 梅毒:5例
  • 性器ヘルペス:14例
  • 尖圭コンジローマ:15例

※カンジダや亀頭包皮炎などの非典型的性感染症は本集計には含めていません。


尿道炎原因菌としては、クラミジアが最多(90例)で、次いで淋菌(56例)、**MG(25例)**という結果でした。

これは全国的な傾向と一致しており、

  • クラミジアは自覚症状が乏しい
  • パートナー間で感染が持続・再燃しやすい

といった特徴から、気づかないまま感染が拡大している可能性が示唆されます。


今回の集計で特に注目すべき点は、重複感染の多さです。

尿道炎172症例中、30名(約17%)で複数病原体の同時感染を認めました。

内訳は以下の通りです。

  • クラミジア+淋菌:21例
  • クラミジア+MG:5例
  • 淋菌+MG:2例
  • クラミジア+淋菌+MG:2例

この結果から、「1種類だけ検査して終わり」では不十分であり、
初診時に複数病原体を同時に検査する重要性が改めて示されました。


MGは25例と、クラミジア・淋菌に比べると数は少ないものの、
重複感染に関与する割合が高い点が特徴的でした。

MGは

  • マクロライド耐性菌の増加
  • 治療失敗や遷延化
  • 再発を繰り返す尿道炎

の原因となりやすく、治療戦略が重要な性感染症です。

16例はマイコプラズマ・ジェニタリウム単独の感染症であり、最初から疑ってかかるもしくは同時に検査しておかないと見逃してしまう可能性があった可能性もあると考えます。

当院で治療したマイコプラズマ・ジェニタリウムの患者様のほとんどはジスロマック(アジスロマイシン)で治療は成功せず、シタフロキサシンを使用する症例が多くありました。

中にはそれでも治療に成功せず、抗菌薬の組み合わせで治療を行ったケースもあります。

今後もMGを含めた包括的検査と、耐性を意識した治療選択が不可欠と考えられます。


梅毒は5例と多くはありませんが、無症状や軽症であったり他の疾患と似ていたりで見逃されやすい感染症です。少しでも疑えば可能性が低くても検査はおススメしています。


また、

  • 性器ヘルペス:14例
  • 尖圭コンジローマ:15例

と、ウイルス性性感染症も一定数存在していました。

コンジローマに関しては液体窒素療法+ベセルナクリームで加療を行っています。

これらは「治癒」ではなくコントロールが重要な疾患であり、正確な診断と長期的なフォローが求められます。


2025年の当院データから、以下の点が明らかになりました。

  • 性感染症の中心は依然としてクラミジア・淋菌
  • 約6人に1人が重複感染している
  • MGを含めた複数項目同時検査が重要
  • ウイルス性性感染症も決して稀ではない

「症状が軽いから大丈夫」「一度治療したから安心」ではなく、
違和感があれば早めに泌尿器科を受診することが、
ご自身とパートナーの健康を守る第一歩となります。

当院では、症状や背景に応じた適切な検査・治療・フォローアップを行っております。
気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。

性病・性感染症について相談・治療したい方は岡山駅東口徒歩3分の泌尿器科の『おかやま腎泌尿器科クリニック』までお気軽にご相談下さい。

おかやま腎泌尿器科クリニック 

院長 光井 洋介(泌尿器科専門医・性感染症認定医)